撒散まきち)” の例文
並んだ小屋は軒別に、声を振立て、手足を揉上もみあげ、躍りかかって、大砲の音で色花火を撒散まきちらすがごとき鳴物まじりに人を呼ぶのに。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ところで、姫様ひいさまのお乳母どの、湯尾峠ゆのおとうげ万年姥まんねんうばが、それがしへ内意==降らぬ雨なら降るまでは降らぬ、向後汚いものなど撒散まきちらすにおいてはその分に置かぬ==と里へ出て触れい、とある。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)