掌脂てあぶら)” の例文
掌脂てあぶらを握って捕縄ほじょうの飛ぶのを待っていたが、加山も波越も、人波の中にかがみ腰になったまま、いつまで経っても、侍の背後うしろへ迫ってゆく様子が見えない。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)