持仏堂じぶつどう)” の例文
母屋の中心に、持仏堂じぶつどうもあれば、侍部屋もある。寝所、釜殿かまどの女童部屋めわらべべや奴僕ぬぼくの小屋、殊に目立つのは、うまやのあることである。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「わたしの持仏堂じぶつどうですよ。この中に、平安朝へいあんちょう時代の黄金仏が安置してあるのです。」
超人ニコラ (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
かのくえんしの建立こんりゅうありし姫宮ひめみや持仏堂じぶつどうも思ひ出られて哀れなり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
勝入には、まだ、老いたる母があり、未亡人となった勝入の妻とふたりで、以来、城内の持仏堂じぶつどうにひきこもって、涙の日ばかりを送っていたが、突然
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あくる朝、かれはめずらしく、持仏堂じぶつどうにはいって、丹羽五郎左の位牌いはいに、何か、ぶつぶつ唱えていた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)