拾取ひろいと)” の例文
何心なく拾取ひろいとり、そのまゝ一歩二歩、歩み出し候処、またもや落ちたるもの有之候ゆえ、これも取上げ候に革の財布にて、大分目方も有之候故、中を改め候処、大枚の小判
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
この一例を以てしても、俳諧と狂歌と浮世絵とは古来わが貴族趣味の芸術が全く閑却していた一方面を拾取ひろいとって、自由にこれを芸術化せしめただいなる功績をになうものである。