抖擻とそう)” の例文
世間では内記のひじりと呼んだ。在俗の間すら礼仏誦経らいぶつじゅきょうに身心を打込んだのであるから、寂心となってからは、愈々精神を抖擻とそうして、問法作善さぜんに油断も無かった。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
得テ年来ノ宿望漸ク将ニ成ラントスルヲよろこビ奮ツテ自ラ其説文ヲ起コシ其図面ヲ描キ拮据きっきょ以テ日ニ其業ニ従ヘリ而シテ其書タル精ヲ極メひらキ以テ本邦今日日新学術ノ精華ヲ万国ニ発揚スルニ足ルベキモノト為サント欲スルニ在ルヲ以テ之ヲス必ズヤ此ニ幾十載ノ星霜ヲ費ス可ク其間日夜孳々しし事ニ之レ従ヒ其精神ヲ抖擻とそうシ其体力ヲ
何で寂心が三河に行ったか、堂寺建立の勧化かんげの為だったか何様か、それは一切考え得るところが無いが、抖擻とそう行脚のちなみに次第次第三河の方へまで行ったとしても差支はあるまい。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)