払退はらいの)” の例文
と引息に声がかすれて、志を払退はらいのけられたように、ひぞりもしねたさまに、身を起してお京が立った。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けません可けません、私は大事の体です。これから出世しなくちゃなりません。信用をおとしちゃ大変です」お島は片意地らしくおどしつけるように言って、筋張った彼の手をきびしく払退はらいのけた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)