打傷うちみ)” の例文
その中に入つてゐた補祭は打傷うちみのために悲鳴をあげ、村長は思ひきり逆吃をした——小さい方の袋を担いだまま
しかもかれには言うに言われぬ無念がまだ折り折り古い打傷うちみのようにかれの髄を悩ますかと思うとたまらなくなってくる。かれの友のある者は参議になった、ある者は神に祭られた。
まぼろし (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「ところが、おふくろの罰があたったのか、朱実の奴が、瓜生山ですべった時の打傷うちみが痛いといいだし、それからこの茶店でずっと寝込んでしまったというわけ。おれも後悔はしたが、もう追いつかないことだしなあ」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)