手毬唄てまりうた)” の例文
口のうちで唄っているので、よく聞きとれませんが、それは、手毬唄てまりうたでもなし、琴唄でもなし、三味線にのる花街いろまちの唱歌でもありません。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いま唄ったのは新庄しんじょうあたりの武家屋敷で手毬唄てまりうたによく聞いたものだが、この辺では馬子唄に唄うのか」
峠の手毬唄 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
その臼唄だけが「つく」という動作の関係から、小娘の手毬唄てまりうたなんかになってまだ残っている。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
すると良寛さんの口には、自然に女の子達がうたふ手毬唄てまりうたがのぼつて来た。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
手毬唄てまりうたかなしきことをうつくしく
五百五十句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
「何もない、——娘は居間で糸車をまわしながら、例の手毬唄てまりうたを唄っている」
峠の手毬唄 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
母姉と謡ひ伝へて手毬唄てまりうた
六百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)