戴宗たいそう)” の例文
戴宗たいそうのお国自慢は何かとつきない。宋江そうこうもすでに微酔気分である。ひとりまだまだ飲み足らないようなのは、黒旋風こくせんぷう李逵りきだった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
戴宗たいそうも居る。李逵りきも居る。こんな処を上品に言おうと思うたが何も出来ぬ。それから宋江が壁に詩を題する処を聯想した。それも句にならぬので、題詩から離別の宴を聯想した。
句合の月 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
楊林ようりんは、管鎗くだやりの使い手とか。先ごろ神行太保しんこうたいほう戴宗たいそうが、その旅路から裴宣はいせんなどとともに、梁山泊へつれて来た新入り仲間の一人である。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宋江は、悵然ちょうぜんと泣いた。戴宗たいそうもうれし涙にぬれる。万感のこと、来し方から今後のこと、到底、とっさには語りきれもしない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)