戯曲ドラマ)” の例文
旧字:戲曲
「ね、前半だけはおまえにもわかったわけだ。それはただの戯曲ドラマで、あちらで上演ずみだ。後半は悲劇で、これから当地で演じられようとしているのさ」
れ今の所謂才子が作る所の戯曲ドラマを見るに、是れ傀儡くゞつを操りて戯を為す者のたぐひのみ、作中の人物、一も生人の態なし。其唐突、滑稽なる人をして噴飯せしむる者あり。
詩人論 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
外から見て、自若として死を迎うる胆力は、世に稀とはいいながら、数えれば少くないと私は思う。ただややもすると、死を以て最上の戯曲ドラマの如く思っているものがある。
「死」の問題に対して (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
私は『釈迦譜しゃかふ』を選んだ。あの本の中には、王子の一生が一篇の戯曲ドラマを読むように写出うつしだしてある。あの中から私は釈迦の父王の話、王子の若い友達の話なぞを借りて来て話した。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)