戦人いくさにん)” の例文
「それがよい。そんならおじさんの傍へ行って、縁側へ腰をかけてお月見をしながら、また戦人いくさにんの話を教えておもらいなさい」
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
伯母さんは私に烏帽子をきせたり、鎧どほしをささせたり、すつかり戦人いくさにんにしたててから、自分も後ろ鉢巻をし、薙刀をかいこんで、長い廊下の両はじに陣どつて戦ごつこをする。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
戦人いくさにんが必要になるにつれて、左脇にさした剣を抜くのに、これまで通りの着方では、外套の裾が邪魔になるので、男子はすべて今のやうに左から右に合はせることになつたのである。
「教えればおじさん、戦人いくさにんの話をしてくれる?」
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)