成蹟せいせき)” の例文
学業の成蹟せいせきは一に教師の判断に任せて、不平をさしはさまざるのみならず、かえってこれによって彼らの優劣を定めんとしつつある。一般の世間が評家に望むところは正にこれにほかならぬ。
作物の批評 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「頭も悪い方じゃないだろう。学校の成蹟せいせきも可なりだったんじゃないか」
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
やがて景清の戦物語いくさものがたりも済んで一番の謡もとどこおりなく結末まで来た。自分はその成蹟せいせきを何と評して好いか解らないので、少し不安になった。嫂は平生の寡言かごんにも似ず「勇しいものですね」と云った。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「ふん、それで思う通りに行きましたか」成蹟せいせきは良好だ。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)