懸違かけちが)” の例文
名を呼ばれるさえ嬉しいほど、久闊しばらく懸違かけちがっていたので、いそいそ懐かしそうに擦寄ったが、続いて云った酒井のことばは、いたく主税の胸を刺した。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これが鴎外と款語した最後で、それから後は懸違かけちがって一度も会わなかったから、この一場の偶談は殊に感慨が深い。
鴎外博士の追憶 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)