慎重しんちょう)” の例文
旧字:愼重
博士は、非常に慎重しんちょうな手つきで、X塗料の粉の入った紙を目のそばへ近づけ、しさいに見ていたが、やがて、力なげに首をふった。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
天守台の七重櫓が総体の中心であるだけに、ここの工事は最も慎重しんちょうでなければならず、また信長の注文もなかなか難しいのである。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その場合、誇張した慎重しんちょうさで、自分は今こわれやすいようなものを扱わなければならないのだ、と見る人に信じさせようとする。
断食芸人 (新字新仮名) / フランツ・カフカ(著)
ひらくことにしたが、その結果が、万一にも朝倉先生の御気持にそわないようなことになっては、先生に対してまことに申訳がないと思うから、十分慎重しんちょうに考えて意見をのべてもらいたい。
次郎物語:04 第四部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
ぼくはいつもそれを思うと、われわれは感情にげきしたためにひとりの有為ゆういの青年を社会からほうむることになったことが実に残念でたまらん、人を罰するには慎重しんちょうに考えなければならん、そうじゃないか
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
僕は出来るだけ慎重しんちょうを期するために、言いかえると、朝倉先生に現在以上のご迷惑がかからないようにと思って、先生をおたずねしたんだ。それが先生に対する侮辱だと言われては、全く残念だ。
次郎物語:04 第四部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
と、学者らしい慎重しんちょうさでいった。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼はかた慎重しんちょうにして最も
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)