悸々おど/\)” の例文
「君の顔色には何だか生気がない、病的といふほどのことではなしに……。眼つきが何となく悸々おど/\としてゐる、今日も!」
素書 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「それはみませんでしたのね。わたしはまた此樣こんな天氣で氣が欝々うつ/\して爲樣しやうが無かツたもんですから、それで。」と何か氣怯きおそれのするてい悸々おど/\しながらいふ。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「ふん、女は羨ましいものだ。」と彼が、ほき出すと彼女は、酷く悸々おど/\とした。「一年か二年の本を出して御覧な、読むだけで好いから、それを読んで御覧よ。」
小川の流れ (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
と青野は益々悸々おど/\として、サムライらしくもなく私の顔色を窺ふのであつた。
久保は悸々おど/\と訊き返した。
階段 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)