悠々自適ゆうゆうじてき)” の例文
卑しくも私の趣味性をそそるものあらば座右に備えて悠々自適ゆうゆうじてきし、興来って新古の壱巻をもひもとけば、河鹿笛かじかぶえもならし、朝鮮太鼓も打つ
亡び行く江戸趣味 (新字新仮名) / 淡島寒月(著)
これで私も、末の見込みのない平事務員の足を洗って、末は田舎へ引込むなりして悠々自適ゆうゆうじてきの生活ができるというものと、よろこびにふるえた。
柿色の紙風船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
多勢の家族と一緒に住んでいることを嫌ってここで若隠居のような、悠々自適ゆうゆうじてきの生活をしているのでした。
忍ぶべからざる侮辱を受けたとかの理由をもって大学の講壇から去り、いまは牛込うしごめの御自宅で、それこそ晴耕雨読とでもいうべき悠々自適ゆうゆうじてきの生活をなさっているのだ。
佳日 (新字新仮名) / 太宰治(著)
しからば、柱時計を持っていない連中は、さぞ悠々自適ゆうゆうじてきしたであろうと思うであろうが、そうでもなかった。