恒河沙ごうがしゃ)” の例文
しかも世界に星の真砂まさごの如く、恒河沙ごうがしゃ数の如くきらめくそういう明滅の美こそ真に大なるものを生ましめる豊饒の場となるのである。
永遠の感覚 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
その心さえ除いてしまえば、この粟散辺土ぞくさんへんどうちにも、おれほどの苦を受けているものは、恒河沙ごうがしゃかずより多いかも知れぬ。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
この世に生をけるということは、実に、百千万億恒河沙ごうがしゃ劫無限こうむげんの時間の中でもまこといがたく、ありがたきことです。しかも一方、死はあきれるほど速やかに私たちの上に襲いかかってくるものです。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)