恐懼おそれ)” の例文
これを見たものはびっくりして、これは必ず切支丹キリシタンに相違ないと言って、皆大いに恐懼おそれいだいたとの話もある。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
かれ恐懼おそれて日光を見ず、もし強いて戸を開きて光明そのはだえに一注せば、渠は立処たちどころに絶して万事まむ。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これは神に依ていつくしめるものは目的も希望のぞみ恐懼おそれも同一になってしまう。ただ気が合うといっても何だか茫漠としたもので男ならその調子で一杯やろうというかも知れぬ。
イエスキリストの友誼 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
貴婦人もはや返さんとするとともに恐懼おそれたちまちその心を襲へり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)