御首級みしるし)” の例文
眼を閉じ佇み思案したが、やがて藪の裾へかがみこむと、御首級みしるしをそっと草の上に安置し、後も振り返らず走り去った。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
心情しんじょうはさもあること。しかしまだそのまえに、しんとしての役目がいくらものこされてある。都田川みやこだがわにかけられた御首級みしるしをうばって、浄地じょうちへおかくし申すこと。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこへつけ込み私はじめ、姥殿にも範覚殿にも、手を分けて裏面から、誘惑いざないの腕ふるいましたら、宮様の御首級みしるし掻こうとする者、幾人か出るでござりましょう
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
禄を捨てた浪人共と戦って、上杉家の社稷しゃしょくくつがえしても、殿には、かまわぬとお考え遊ばしますか。……しかも、すでに亡きお実父上ちちうえ御首級みしるしが、蘇生そせいでもすると思召されるのか
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「宮様御首級みしるしさえあげましたら、車の庄と六千貫とは、あなた様のものでござりまする。これまでのご知行と合わせましたら、たいへんもない高になりまする」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「右大臣家と見奉る。いまはのがれ難きところ。いさぎよく御首級みしるしをさずけ給え」
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『うぬっ。寝込みへ来たな。御首級みしるしはやれぬ、この一学のあるうちは』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(討った! 吉良どのの御首級みしるしはもういただいた)
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それッ、獄門ごくもん御首級みしるしをうばえ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)