御宮おみや)” の例文
一、柳生対馬、別所信濃両奉行登晃とこう御宮おみや御修覆につき、御山内ごさんない御普請小屋ごふしんごやを設け、ただちに火消しに関するお触れ書を出す。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
... 君御宮おみやになるより虚子になる方がよほどいいぜ」東風君は何だか物足らぬと云う顔付で「あんまり、あっけないようだ。もう少し人情を加味した事件が欲しいようだ」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
手児奈様てこなさま御宮おみやを向うに、真直な小道の両側に並んだ貸家の中でも、平家建の一軒。
来訪者 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
いつのまにか御宮おみやの杉のの下にって立っていた。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「そうさ、たしかこの春の朗読会ぎりだったね。朗読会と云えば近頃はやはり御盛おさかんかね。その御宮おみやにゃなりませんか。あれはうまかったよ。僕はおおいに拍手したぜ、君気が付いてたかい」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それから僕が今度も近松の世話物をやるつもりかいと聞くと、いえこの次はずっと新しい者をえらんで金色夜叉こんじきやしゃにしましたと云うから、君にゃ何の役が当ってるかと聞いたら私は御宮おみやですといったのさ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)