御堪忍ごかんにん)” の例文
「これはこれは、お士さま。供の者が何か御無礼いたした様子、お腹も立ちましょうが、御堪忍ごかんにんあそばして、許してやって下さいませ」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
何とぞ、御奉公のおん為、又、小さくは私たちをも、不愍ふびん御堪忍ごかんにんあそばされて、っと、おこらえくださいますように、お願いに参じましたのでございまする
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたくしあがはずではないのでございますけれど、是非申上げなければなりません事がございますので、ちよつと伺ひましたのでございますから、今日こんにちのところはどうか御堪忍ごかんにんあそばして
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そこが御堪忍ごかんにんでございます、どうかてまえに免じて、今回だけは、お眼こぼしを願います、それにつきましては、汚いことを申しあげてはすみませんが、皆さまにそれ相当のことをいたしまして
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)