後閑ごかん)” の例文
後閑ごかんの間道から風戸峠へと、やがて、悍馬かんばは死にもの狂いでのぼってゆく。——一面の鏡のように、やがて遙かに榛名はるなうみが見えてくると
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
殊に上州の赤城と、榛名の山裾が東西に伸びて狭まって上流十里、高橋お伝を生んだ後閑ごかんまでの間の奔淵ほんえんには、ほんとうの尺鮎が棲んで、長さ六間の竿を強引に引きまわす。
香魚の讃 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
ただ私は上越鉄道が完成した暁は言う迄もなく、目下工事中の鉄路が沼田、後閑ごかん、小日向と延長するに連れて、今日の秩父のように必定此地方に入り込む登山者が増加するものと信じているから
利根川水源地の山々 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
『新編常陸国誌』に集録せられたる鹿島文書貞治四年の請文うけぶみに「そもそもかの岩瀬郷においては、本主益戸左衛門尉新田開発、後閑ごかん堀ノ内たるの間、往古より今に至るまでなんらの役なき所なり」
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
次は、後閑ごかん地先である。
利根の尺鮎 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)