後生気ごしょうぎ)” の例文
旧字:後生氣
娘がまた後生気ごしょうぎを出して、元の持主に返そうとするのは解り切っているから、わざと偽物の御墨付をこさえて娘につかましたのだ。
「そうだ、お十夜だ。十手とお縄をあずかっている商売でも、年をとると後生気ごしょうぎが出る。お宗旨じゃあねえが、今夜は浅草へでも御参詣に行こうかな」
半七捕物帳:18 槍突き (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ハハハ、そうよ、おつ後生気ごしょうぎになったもんだ。寿命じゅみょうきる前にゃあ気が弱くなるというが、おらアひょっとすると死際しにぎわが近くなったかしらん。これで死んだ日にゃあいい意気地無いくじなしだ。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
おれは此の頃出不精になったのと、年寄りのくせに後生気ごしょうぎが薄いので、まだお開帳へ参詣をしなかったが、それほど念入りに出来ている兜から小判五枚を引っぺがすのは容易じゃあねえ。
半七捕物帳:65 夜叉神堂 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)