征御せいぎょ)” の例文
そうしてその征御せいぎょに文化の誇りをうたおうとする。だが自然に叛くものに悠久なものがあろうか。自然に従順なものは自然の加護を受ける。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
火山行動の最も敏活な、降水量の最も豊富なる島国でないと、見ることのできない奇抜な地形であり、これを征御せいぎょして村を興し家を立てたのもまた一つのわが社会の特長であった。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
作為への執着も、機械への過信も、自然に対する無益な叛逆はんぎゃくに過ぎない。美は自然を征御せいぎょする時にあるのではなく、自然に忠順なる時にあるのである。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
否、かえって知識が美を殺さなかった場合とては少ない。科学が自然を征御せいぎょするという考えは極めて粗雑なまた不遜ふそんな空想に過ぎない。私たちは知識を無視してはならない。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)