彫刀こがたな)” の例文
翌日一日、隠れ家で、細工場の机に坐っても、仕事に気が乗らず彫刀こがたなを取り上げてはすぐに投げ捨てたり、腕組をしては生あくびをしたりしつづけていた。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
そして彫りかけの観音像を膝の上に抑え、彫刀こがたなって、一念にまた、新しい木の屑を散らしはじめた。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すぐ、武蔵はまたかがみ込んで、彫刀こがたなる。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)