強気つよき)” の例文
旧字:強氣
空威張からいばり——肩で風を切って、とんがり長屋の路地を出てゆく。もうこうなると、長屋の連中は強気つよき一点ばりで
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
しかし、その強気つよきにもかかわらず、天地のくずれ落ちる中へ、ぐんぐん、吸いこまれてゆくような、いいようもない寂寥せきりょうと、孤独感とが、全身を包んでいた。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
何しろ斯う云ういきおいになったからは、モウ船にのって脱走したからとて勝てそうにもしないから、ソレは思いまるがいと云た所が、節蔵はマダなか/\強気つよき
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
幸にしてこの父子あり、運がよければ、世界の再建さいけんに加工し得るかも知れないと、ひそかに思った。先発隊の運命の程もわからぬので、こんな弱気よわき強気つよきになったのである。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)