弟妹はらから)” の例文
……故郷を離るる幾百里、望めば茫々ぼうぼうとして空や水なる海、山の上にも山ある山国に母をおもい、父を憶うて、恋しき弟妹はらからの面影を偲ぶ心如何いかならん。
その幼き弟妹はらから二人は病める姉をなつかしがりて、しばしば母に請えど、病を忌み、かつは二人の浪子になずくをおもしろからず思える母は、ただしかりてやみぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)