弑逆しぎゃく)” の例文
それと、世上の反信長党に、将軍弑逆しぎゃくという絶好な旗じるしを与え、正義を唱えさすなども、下策げさくでないかと考えられますが
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
幼君毒殺の陰謀、弑逆しぎゃくという事実をもって、六十万石分割の機会にしようとしたのだ。その野望はいちおうくい止めた。
公暁は頼家の遺子であるが、実朝は父の敵であるとそそのかされて決行したものの、それはまた将軍弑逆しぎゃく謀叛人むほんにんという名儀でほろぼされた。清和源氏せいわげんじの正統はここに絶えた。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
「亀千代どのにすすめる膳部に毒が入れてあり、鬼役が三人、その毒で死んだということは事実だ、ほかの場合ではない、亀千代どのの膳部だ、これは弑逆しぎゃくの大罪だぞ」
逆子ぎゃくし曹丕そうひと、わが君とを、同一視するものではございません。彼の如き弑逆しぎゃくの大罪を、いったい誰がよくらしますか。景帝のご嫡流たるあなた様以外にはないではございませんか」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)