幾許いかばかり)” の例文
母子の為には幾許いかばかりさいはひなりけん。彼は貫一に就いて半点の疑ひをもれず、唯くまでもいとしき宮に心をのこして行けり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
法律は鉄腕の如く雅之をらつし去りて、あまつさへつゑに離れ、涙によろぼふ老母をば道のかたはら踢返けかへして顧ざりけり。ああ、母は幾許いかばかりこの子に思をけたりけるよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
大いなるダイアモンドか、幾許いかばかり大いなるダイアモンドも、宮は人の心の最も小き誠に値せざるを既に知りぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)