幾百里いくひゃくり)” の例文
引返ひっかえして壁のくずれを見ると、一団ひとかたまりおおいなる炎の形に破れた中は、おなじ枯野かれのの目もはるか彼方かなた幾百里いくひゃくりといふことを知らず、犇々ひしひし羽目はめを圧して、一体こゝにも五六十、神か、鬼か、怪しき人物。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)