幸若舞こうわかまい)” の例文
「犬千代が小鼓をいたせば、誰ぞ立って、幸若舞こうわかまいなと、田楽舞でんがくまいなと、一さし舞わしゃれ。木下どのは話せぬ男で、まだ舞はよう舞わぬそうな」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうした事実を尚深く遡って考えると、能が出来る迄には雅楽、幸若舞こうわかまい、田楽、何々舞、何々狂言なぞいう、能楽の前身とも云うべきものが非常に発達していたらしい。
能とは何か (新字新仮名) / 夢野久作(著)
出雲いずも巫女みこが神社舞に世の嗜好しこうと時粧を加味し、それに従来の猿若や幸若舞こうわかまいを織りまぜておもしろおかしく仕組んで諸国を打って廻ったのが、はからずも各地で大受けをとり
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
信長の幸若舞こうわかまいも有名だったが、あの真面目くさい徳川家康にしても、自然居士こじ曲舞くせまいはおはこの芸であったし、その家臣の酒井忠次といえば、えびすくいの名人として、その珍なる踊りは
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)