干杓ひしゃく)” の例文
落したのか、紙入というものを持合さず、水をすすごうとして干杓ひしゃくを取ると
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「非常においしいです。僕は味噌汁と云うものは、塩が辛くなきゃ湯を飲むような味の無いものだとばかり思うたです。今、貴女、干杓ひしゃくに二杯入れたですね。あれは汁を旨く喰わせる禁厭まじないですかね。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)