席亭せきてい)” の例文
席亭せきていに出ても鉢巻のようなものをして自慢の髪を——ある折はばらりと肩ぐらいで切っている事もあった。
明治美人伝 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
席亭せきていへも以前はさんなど好きでよく行きましたが、近頃は少しも参りません。芝居は仕事の関係上、月に二つ三つはかかしませんが、男優では、仁左衛門にざえもん鴈次郎がんじろうが好きなようです。
席亭せきていの主人が便所へ出掛けて行く、中の役者が戸をあけて出る機会とたん、その女の顔を見るが否や、席亭せきていの主人は叫喚きゃっと云って後ろへ転倒ひっくらかえてめえまだ迷っているか堪忍してくれとおがみたおされ。
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)