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帔
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かづ
一一〇五更の
天明けゆく
比、
一一一現なき心にもすずろに寒かりければ、
一一二衾帔かんとさぐる手に、何物にや
籟々と音するに目さめぬ。
いと
喜しげにてあるを、此の袈裟とり出でてはやく打ち
帔け、
三八三力をきはめて押しふせぬれば、あな苦し、
你何とてかく
三八四情なきぞ。
法師も
即て
詣でなんとて、
三七七芥子の
香にしみたる
袈裟とり出でて、庄司にあたへ、
畜を
三七八やすくすかしよせて、これをもて
頭に打ち
帔け、力を出して押しふせ給へ。