かづ)” の例文
一一〇五更ごかうそら明けゆくころ一一一うつつなき心にもすずろに寒かりければ、一一二ふすまかづかんとさぐる手に、何物にや籟々さやさやと音するに目さめぬ。
いとうれしげにてあるを、此の袈裟とり出でてはやく打ちかづけ、三八三力をきはめて押しふせぬれば、あな苦し、なんぢ何とてかく三八四情なきぞ。
法師もやがまうでなんとて、三七七芥子けしにしみたる袈裟けさとり出でて、庄司にあたへ、かれ三七八やすくすかしよせて、これをもてかしらに打ちかづけ、力を出して押しふせ給へ。