“差配様(おおやさん)” の例文
さて件(くだん)の花簪屋と煎餅屋との間の露地口の木戸は、おしめ、古下駄等、汚物(よごれもの)洗うべからずの総井戸と一般、差配様(おおやさん)お取極(とりきめ)で、紙屑拾不可入(かみくずひろいいるべからず)、午後十時堅く〆切(しめきり)。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
火事はどこだ、と木遣で騒いで、巾着切万歳! と祝い直す処へ、八百屋と豆腐屋の荷の番をしながら、人だかりの中へ立って見てござった差配様(おおやさん)が、お前(め)さん、苦笑いの顔をひょっこり。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
差配様(おおやさん)か、差配様は此家(ここ)の主人(あるじ)が駈落をしたから、後を追っかけて留守だ、と言ったら、苦った顔色(がんしょく)をしやがって、家賃は幾干(いくら)か知らんが、前(ぜん)にから、空いたら貸りたい、と思うておったんじゃ
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)