差含さしぐま)” の例文
貫一は差含さしぐまるる涙を払ひて、独りおくれたるを驚きけん、にはかに急ぎて、蓬莱橋口ほうらいばしぐちよりでんと、あだかも石段際に寄るところを、たれとも知らで中等待合の内より声を懸けぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)