巌角いはかど)” の例文
旧字:巖角
僕は、この男は導者だといふことを意識してゐるのみで、あとは分からずに附いて行くに、導者は突如として或る巌角いはかどから僕の手を捉へて左手へ飛び下りた。
ヴエスヴイオ山 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
彼等は船が殊更ことさら絵のやうに美しい海岸の巌角いはかどなぞを通り過ぎる折々をり/\くはへてゐる大きなパイプを口元から離して、日本の山水さんすゐのうつくしい事を自分に語つた。支那には木がなく水は黄色に濁つてゐる。
海洋の旅 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)