岩窟いはや)” の例文
舟は深碧の水もてめぐらされたる高き岩窟いはやに近づきぬ。ジエンナロは杖をふるひて舷側の水を打てり。われは且怒り且悲みて、傍より其面を打ち目守まもりぬ。
我等を囚へし慈にん岩窟いはやは我が神力にて扯断ちぎり棄てたり崩潰くづれさしたり、汝等暴れよ今こそ暴れよ、何十年の恨の毒気を彼等に返せ一時に返せ、彼等が驕慢ほこりの臭さを鉄囲山外てつゐさんげつかんで捨てよ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ある山奥の、岩窟いはやの中に、大勢の馬賊が住んでをりました。
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)