屑鉄くずてつ)” の例文
この夫婦は相沢七三雄という、屑鉄くずてつ専門の廃品回収業者の二階に住んでいた。相沢家は夫婦のあいだに七人の子があり、長男が十一で末っ子が二歳。
季節のない街 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
かねには吉彦よしひこさんがひとりついて、まち国民学校こくみんがっこう校庭こうていまでゆくことになっていた。そこには、ちかくの村々むらむらからあつめられた屑鉄くずてつやまがあるということだった。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
その一人に大阪弁でたえずまくし立てている中年の男がいて、話の様子からすると屑鉄くずてつの商人だった。上海の在留邦人なのではなく、上海行きは俺と同じく初めてなのだ。
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)