“居昵”の読み方と例文
読み方割合
いなじ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
晩飯の餉台ちゃぶだいの側で、静子を揶揄からかいながら、賑やかな笑い声を立てていたが、気の引けるお今は長く居昵いなじんだ、そこへ顔を出すさえきまりが悪そうであった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ここに居昵いなじむにつれて、近ごろめっきりお増の生活の豊かになったことが、適切に解って来た。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
笹村はそうした小石川の奥の方を一わたり見て歩いたが、友人の家を出て、普通の貸家へ移る時の生活の不安を考えると、やはり居昵いなじんだ場所を離れたくないような気もしていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)