小賢こざかし)” の例文
十太夫は舊に依つて小賢こざかしげに立ち振舞つてゐる。前日と變つた事は、只忠之が利章に逢ふ度に顏をそむけるだけである。諫書にはこれだけの效果しかなかつた。
栗山大膳 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
しかしながら統一のない衝動的な運動に限りなく駆ろうとしている盲目的な意志と、私の心の表面に明るく動く小賢こざかしい智恵とが、その時分私が創作を試みることを妨げていた。
語られざる哲学 (新字新仮名) / 三木清(著)