小豆飯あずきめし)” の例文
それから東に来て静岡市のまわりでも、やはり同じ日を田の神送りと名づけて、もとは家毎に餅をき、あるいは小豆飯あずきめしを炊いて祝いごとをしていた。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
まず食物の好みの小豆飯あずきめし油揚あぶらあげから、次には手つき眼つきや横着なそぶりとなり、此方でも「こんちきしょう」などというまでに激昂げっこうするころは、本人もまた堂々と何山の稲荷いなりだと
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
神職は潔斎けっさい衣冠いかんして、御炊上おたきあげと称して小豆飯あずきめし三升を炊き酒一升を添え、その者を案内として山に入り求むるに、必ず十坪ばかりの地の一本の枯草もなく掃き清めたかと思う場所がある。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)