小烏こがらす)” の例文
晩のおかずに、煮たわ、喰ったわ、その数三万三千三百さるほどにじいの因果が孫にむくって、渾名あだな小烏こがらすの三之助、数え年十三の大柄なわっぱでござる。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
武里は維盛にいわれた通り、唐革からかわよろい小烏こがらす太刀たちの事まで話すのであった。資盛は袖を顔に押し当てると
維盛は、すぐにそれが家の宝刀といわれる小烏こがらすという太刀であることを知って、内心喜びを押え切れず、膝を乗りだして押しいただくと、さっと袋から取出した。
唐革からかわというよろい小烏こがらすという太刀たち、祖先貞盛公より、この維盛まで九代、代々嫡流ちゃくりゅうに伝わる家宝につき、もし御運も開け、都に還る事もあれば、六代にお渡し下さい、とそのように伝えて呉れ