小栗上野おぐりこうずけ)” の例文
しかし、幕府内でも最も強硬な主戦派の頭目として聞こえた小栗上野おぐりこうずけの職をいで謹慎を命じたほどの堅い決意が慶喜になかったとしたら。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
また小栗上野おぐりこうずけが、ひとりで、そっと持ち出して赤城山の麓にうずめて置くなんて、まことしやかに言う奴もある……
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
しかし彼は小栗上野おぐりこうずけと少からぬ縁故があって、当時も目立たぬ存在であっただけに
これは、傾きかけた徳川幕府の大身代をどうかしてささえられるだけささえようとしているような、その大番頭の一人ひとりとも言うべき小栗上野おぐりこうずけの口から出た言葉である。土蔵付き売屋とは何か。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
小栗上野おぐりこうずけがある、勝安房かつあわがある、永井玄蕃げんばも、水野痴雲ちうんも、向山黄村むこうやまこうそん川路聖謨かわじせいぼ、その他誰々、当時天下の人物としても恥かしい人物ではないが……なにぶん大廈たいかくつがえる時じゃ、いたずらに近藤勇
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
小栗上野おぐりこうずけは、幕府の主戦組のために生きている」
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)