小原こはら)” の例文
五年生の小原こはらという青年は木馬の上に立って叫んだ。小原は平素沈黙寡言ちんもくかげん、学力はさほどでないが、野球部の捕手として全校に信頼されている。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
平原ひらはら小原こはら、山浦、大久保、西原、滋野しげの、その他小諸附近に散在する村落から、一里も二里もあるところを歩いて通って来る。こういう学生は多く農家の青年だ。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
今夜大塔宮護良だいとうのみやもりなが親王様には、十津川とつがわの郷をお出ましになり、明日小原こはらに差しかかられまするが、大不忠の者あらわれて、大難にお遭いあそばさるる御相おんそう、未然にまざまざ現われたり。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そこで小諸こもろざい小原こはらというところにかわれている牛は、ご主人の牛乳屋さんに連れられ、牛小屋を出て、烏帽子えぼしたけのふもとにある牧場をさして骨休めに出かけました。
力餅 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)