寸断寸断ずたずた)” の例文
嫉妬などの為に此の顔の美しいのが恨めしいなどと云って殺した上で顔を寸断寸断ずたずたに切るなどの例が幾等もありますよ
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
父——私は、ただそうとのみ感じただけで、その瞬間、神経が寸断寸断ずたずたにされたような、痳痺を覚えました。
オフェリヤ殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
高く差し上げた旗が横になびいて寸断寸断ずたずたに散るかと思うほど強く風を受けたのち旗竿はたざおが急に傾いて折れたなと疑う途端とたんに浩さんの影はたちまち見えなくなった。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
どこの雑誌へ出しても没書になる価値は充分あるのだから、頭脳の不透明をもって鳴る主人は必ず寸断寸断ずたずたに引き裂いてしまうだろうとおもいのほか、打ち返し打ち返し読み直している。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
此の重みにおされては身体は寸断寸断ずたずたであろうと思ったが、爾ほどでもなく、拾い集めずとも身体だけ纒って居る、扶けつつ起して見ると肩も腰も骨が挫けて居る様子で少しの感覚もない。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)