密々話ひそひそばなし)” の例文
直接じかに攫徒に渡してやるもいかがなもんだよ。何よりもだね、そんな盗賊どろぼうとひそひそ話をして……公然とは出来んさ、いずれ密々話ひそひそばなしさ。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何だか知らんが、睦まじそうに密々話ひそひそばなしをしているような事もある。一度なんぞ女に脊中を叩かれて俗物が莞爾々々にこにこしている所を見懸けた。私は気が気でない……
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
此袖口が余り開き過ぎてゐるとか、密々話ひそひそばなしに小一時間もかゝつて、漸々やうやう準備が出来た。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
深沈しんちんとふけゆく座敷ざしきのうちに、こう湿しめッぽい密々話ひそひそばなし
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)