宵暗よひやみ)” の例文
間もなく田代屋を拔け出した一人の女——小風呂敷を胸に抱いて後前を見廻し乍ら水道端の宵暗よひやみを關口の方へ急ぎます。
山鴫は枝垂しだれた木々の間に、薄白い羽裏をひらめかせながら、すぐに宵暗よひやみへ消えようとする、——トウルゲネフはその瞬間、銃を肩に当てるが早いか、器用にぐいと引き金を引いた。
山鴫 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
三十間堀へ來ると、宵暗よひやみながら、向うへ急ぎ足に男女の人影。