宗重むねしげ)” の例文
安芸宗重むねしげは白の清絹すずしの着ながしで、あぐらをかいて、右手に扇子、左の手に盃を持って飲んでいたが、甲斐が坐ると、盃を持った手で「こちらへ」という動作をした。
「そうですか、それやお困りでしよう。それから、弟さん、宗重むねしげ君はどうされました?」
光は影を (新字新仮名) / 岸田国士(著)
当時普通に用いられていた小刀は大抵宗重むねしげという銘がうってあって、此は大量生産されたものであるが、信親、丸山などになると数が少いので高い価を払って争ってやっと買い求めたものである。
小刀の味 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
野州やしゅうの那須の住人那須八郎宗重むねしげから早馬で都へ注進して来た。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)