妻恋坂つまこいざか)” の例文
旧字:妻戀坂
空模様が険呑けんのんであったのに、道具を肩にして出かけると、はたして御成おなり街道から五軒町の裏を妻恋坂つまこいざかにのぼりかけた時分に、夕立の空からポツリポツリ。
江戸は妻恋坂つまこいざかに、あの辺いったいの広大な地を領して、その豪富ごうふ諸侯しょこうをしのぎ、また、剣をとっては当節府内にならぶものない十方不知火流じっぽうしらぬいりゅうの開祖、司馬しば老先生の道場が
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
七兵衛とお松はけむに捲かれて、あとをついて行くと、湯島の高台に近い妻恋坂つまこいざかの西にはずれた裏のところ、三間間口さんげんまぐちを二間の黒塀くろべいで、一間のあいだはくぐりの格子こうし
妻恋坂つまこいざかだ。あそこの司馬道場、存じておるであろう。急いでやれ」
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
いつのまに変ったか、これは妻恋坂つまこいざかのお絹であります。
「やあ妻恋坂つまこいざかの女将軍!」
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)